2015年05月01日

〜「良い言葉が良い人生をつくる」〜佐藤富雄著、「ありがとうは、魔法の言葉」から

口から出た言葉が現実のものになっていくことを、昔の人は「ことだま」と名づけました。

坂口安吾の小説に、ことだまの力を描いたものがあります。迎合の天才だった豊臣秀吉は、「いよいよこれから大陸攻めですね」と口癖のように言っては、織田信長を喜ばせていたというのです。

後に太閤となった秀吉は晩年、かつての自分の口癖に復讐されるかのように、意味のない大陸出兵を敢行して敗れます。安吾はそんな秀吉を評して、「ことだまの恐ろしさを知らない二流の人」としています。

ことだまは、小説の中だけの話しではありません。現実に、いったん口からこぼれた言葉は、それを言った本人が忘れてしまっても、どこまでも後を追いかけてきます。なぜなら、脳の自律神経系がそう仕向けるからです。

自律神経系は約25億年かかって構築され、進化を経て今日に至っている古い神経系が、呼吸や消化などの生体反応を調整しています。

それだけなら、犬や猫などの、動物と何ら変わりはありませんが、人間は、大脳が、発達していますので、大脳から生まれた、想像や言葉が、自律神経系の、働きに、強く影響を、及ぼし、生体反応に大きな、変化をもたらします。

たとえば、梅干の事を考えると、考えただけで口の中が唾液でいっぱいになります。これは、大脳が想像した梅干の酸っぱいイメージに、自律神経が反応して体に影響を及ぼすことで起こる現象です。

このように自律神経系は、大脳の想像力に無条件に従うという特徴があります。同じように、自律神経系は口から出た言葉に対しても無条件に従います。

ですから、うっかりした事はいえません。「どうせ失敗するだろう」とくちにすれば、本当に失敗するように自律神経系が仕向けてきます。

さらに注意するべきなのは、自律神経系は何でも「今の自分自身」の身に起きている事として受け取るという点です。

自分以外の誰か他の人のことを語っていても、過去や未来の事について話していても、今この場で自分がそうなっているというふうに解釈されます。そして、言葉の通りの現実をつくり出すために、即座に身体の状態を変えていきます。

たとえば、40代の人が10代の頃の初恋について語り始めたとたん、脳の中で分泌されるホルモンのバランスが変化します。

10代の頃のようにイキイキとした身体に近づけようと、自律神経系が働きかけるのです。そして実際、10代の頃のような若々しい心持になり、身体がふっと軽くなって、顔の表情まで若返ります。

あるいは、「○○さんはダメな人ね」と他人の悪口を言うと、いった本人がダメ人間になっていきます。自律神経系はなんでも「自分自身」の事と解釈しますから、他人をけなすことは自分をけなしているこのと同じことになるのです。けなされた自律神経系は、「自分はダメな人なのか」と真に受けて、ダメな人間である理由を具体的に示そうとします。

その反対に、「○○さんは、素晴らしい人だね」と他人を誉めると、言った本人が、素晴らしい人間になっていきます。

脳の自立神経系は、自分のどんなところが、素晴らしいのか、なぜすばらしい人間なのかという、根拠を見つけ出し、身体を使って、表現しようとするからです。

同じ理由で、言葉ひとつで、貧乏にもなれば、お金持ちにもなります。

「お金がない」と口癖のように、言っている人の脳は、お金がない状態を、とことん、維持しようとします。脳が、お金を、稼ぐことを嫌がるので、仕事をするのが、ますますつらくなります。

しかし、「私はお金に恵まれている」という言葉を口癖にすれば、現実にお金まわりが良くなります。「お金に恵まれている」という言葉が、脳に記憶され、人生のプログラムが書き換えられるからです。

その後は、楽しみながら、お金を稼げるように、脳が、取りはからってくれますし、いつもお金に、恵まれた状態でいられるよう、無意識のうちに行動がコントロールされます。

こういう、自律神経系および、脳の特徴を知っておくと、言葉の使い方が、まるで、違ったものに、なっていきます。

自分をダメにする悪い言葉は、使わなくなりますし、自分に良い影響を与える良い言葉だけを、使いたくなります。

自分を変えたいと望むなら、まず、言葉を変えることから、始めるとうまくいきます。

夢や、希望を見つけたい、ストレスから、脱出したい、という望みを叶えるためにも、日頃の言葉使いから、変えていきましょう。

良い言葉が、良い自分をつくり、良い人生を創っていくのです。
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